介護を自由に選択できるサービス付き高齢者向け住宅の特徴
この記事の目次
サービス付き高齢者向け住宅は、自由度が高いのに終身暮らせる住宅です。
サービス付き高齢者向け住宅は、高齢者のための住宅です。
サービス付きといわれている理由は、安否確認の連絡や、日常の相談や困りごとに対応してくれる生活相談員が配置されているからです。
独居高齢者や高齢夫婦だけで、入居できる賃貸住宅はほぼないのが現状です。
そこで、高齢者が安心して入居できる住宅をつくろうと国の政策で決まったのが、サービス付き高齢者向け住宅です。
自宅では、段差があって転倒の危険があったり、火のもとの不注意があったりと高齢になると自宅で暮らすことが難しくなってきます。
自宅でのんびりと自由に暮らしていたのに、いきなり介護施設での生活には抵抗がありますよね。
サービス付き高齢者向け住宅は、介護施設ではなく住宅です。
引っ越しをして、気楽にのんびりした生活を続けることができます。
安否確認以外は、自由選択が基本です。
毎日の安否確認で、体調や困りごとがないかを質問されます。インターホンや訪問して聞かれます。
日々の状況を確認するために重要ですので「膝が少し痛む」「ティッシュが切れかけている」など、細かいことでも伝えておくことで対応してくれます。
介護や医療は、必要に応じて受けられます。
掃除するときに、膝が痛いなどの理由があって生活に支障がでていたら、介護保険を利用して介護サービスを受けることができます。
すでに自宅で介護サービスを受けていた方は、そのまま業者を変えずに継続してサービスを受けることができます。
今まで通っていた病院にも、遠方でなければ継続して受診することもできます。
通院できないほどのことがあれば、連携病院から医師が往診してくれるので安心です。
介護サービス計画は、外部のケアマネージャーが作成します。
介護サービスを継続して受けられるのはもちろんのこと、ケアマネージャーも継続することができます。
ケアマネージャーは、今までの経緯を理解してくれているので安心して任せることができます。
初めて介護保険を利用する方でも、住宅探しから紹介してもらえますし、自分で住宅を探すこともできます。
医療は、定期訪問など必要に応じて往診や訪問診療も受けられます。
体調に応じて医師が訪問する往診と、介護度が重く歩行困難などの場合には、定期訪問診療があります。
どちらも、住宅内で診療を受けることができる医療制度です。
お薬の管理も薬剤師が行ってくれるので、医療面の心配もありません。
必要であれば、リハビリも住宅内で受けることができます。
季節イベントや退屈しない仕組みもあります。
住宅によっては、誕生日会や花見・花火大会・紅葉見学など自由参加制のイベントを用意しているところがあります。
一人で外出することが難しくなっても、季節を感じられると気持ちがいいものです。
全員が強制参加ではないので、自分で選択できます。
カラオケ室や談話室など、趣味をゆっくり楽しめるところも多いので、住宅探しをするときに、自分の趣味ができるところを選ぶことができます。
サービス付き高齢者向け住宅の月費用は変動します。
月々支払う費用は、まとめて請求されることがほとんどです。
内訳は、家賃・光熱費・介護費・医療費・管理費などです。
家族旅行などで不在だった場合などは、月費用が大きく変動することもあります。
住宅では、金銭管理や預かり金を行うところがほとんどです。
その都度、入居者が支払いを行わなくても、月1回の支払いで済むようにしています。
明細にすべての金額が記載されているので、代わりに家計簿を書いてくれているようなものです。
もちろん領収証の保管もしてくれているので、控除にも利用できます。
変動しない月費用の内訳
家賃・管理費・共益費は月変動がありません。
月変動がない費用については、前払いで1年分の払い込みができるところもあります。
もちろん預かり金扱いなので、途中で転居する場合は返金があります。
変動する月費用の内訳
介護サービス費や医療費、住宅サービス費などは、変動します。
介護サービスは利用した分の費用を支払うので、医療費は受けた検査などによって変わります。
住宅サービス費は、介護サービスで補えない住宅の独自サービスを利用した場合に発生します。
例えば、茶菓子屋さんに行きたくなって付いてきてもらったなど、私的な内容が住宅サービスに分類されます。
サービス付き高齢者向け住宅で受けられる控除
高額医療・高額介護合算療養費制度というものがあります。
身体介護や医療に支払った金額を確定申告で控除を受けられる制度です。
おむつを使用している場合は、おむつ費用も控除できることがあります。
わからない場合は、ケアマネージャーに相談すれば、どの費用が控除にあたるのか説明を受けることができます。
サービス付き高齢者向け住宅で受けられる介護は、自由度が高いです。
他の施設などは、施設の介護サービスを受けることが前提です。
サービス付き高齢者向け住宅は、在宅介護サービスの対象となります。
自宅で受けているサービスをそのまま継続して受けることもできますし、深夜や早朝に介護サービスを受けることも可能です。
友人がいるデイサービスに通い続けることもできますし、慣れ親しんだヘルパーさんにきてもらうこともできます。
自由に外部の介護サービス事業所を利用できるのは、サービス付き高齢者向け住宅だけです。
受けられる介護保険サービス
在宅介護サービスであれば、そのまま受けることができます。
訪問介護・デイサービス・訪問看護・訪問リハビリ・福祉用具貸与など、自宅で生活していたときに利用していたサービスはほぼ受けられます。
事業所の変更も自由ですし、ケアマネージャーと相談して、時間や曜日も自由に決められます。
介護保険外の住宅サービスについて
住宅には、独自のサービスを用意していることがあります。
細かく料金を決めているところや、上限額を決めているところがあります。
散髪・散歩・定時以外の排せつ介助・洗濯などです。
介護保険では、最低限の生活に対するサービスしか受けられないので、独自サービスを利用することでより豊かに暮らすことができます。
サービス付き高齢者向け住宅に向いている高齢者
ルールに縛られたくない高齢者にオススメです。
食事の時間も一斉に食べはじめるというよりは、1時間程度の時間がとられており、その時間内に食堂に行けばいつでも食べられます。
食事を食堂で食べたくない方は、自室で食べることもできます。
デイルームの消灯時間は決まっているところが多いですが、就寝時間は決まっていないので自室で電灯をつけてのんびり過ごすこともできます。
自宅での生活リズムをそのまま変えずに生活できるのがサービス付き高齢者向け住宅の魅力です。
サービス付き高齢者向け住宅に入居する方の現状
軽い介護が必要で、高齢者が一人で暮らすことを心配した家族が入居をすすめることが多いです。
自由度が高いので、高齢者も受け入れやすいようです。
入院前まで元気に暮らしていた方が、後遺症などで介護状態になってしまい入居するケースです。退院からそのまま入居することもあります。
こちらも、一人暮らしをしていた高齢者が多いです。
軽い介護が必要な方から、重度の介護が必要な方まで入居が可能ですので、様々な理由から入居を検討する方がいます。
サービス付き高齢者向け住宅は、自由度が高いのに終身暮らせる住宅です。
サービス付き高齢者向け住宅は、住宅なのに必要な介護と医療を受けられます。
居室で多いのが、1Kやワンルームです。
ベッドとテレビやタンスなどを置いて、一人用のテーブルとイスを置くスタイルが一般的です。
趣味の絵画などを飾っている方もいらっしゃいます。
最期のときまで過ごせるというのは、自分で最期を決められるということです。
今問題になっている延命治療なども、自分で決められます。
希望に合わせて入院することは、もちろんできますし、訪問診療を受けながら自室でゆっくり過ごすことも選択できるのです。
高齢になれば、思うようにいかないことで不甲斐なさを感じることもあると思います。
ですが、サービス付き高齢者向け住宅にはそっと手をのばしてくれる温かさがあります。