グループホームは、認知症の本人が困惑せず平穏に生活できる場所です。
この記事の目次
自宅で困っていた症状は、グループホームではすべて普通のことです。
グループホームとは、日常生活を円滑に行うために共同で暮らす場所です。
グループホームは、最大9人が共同で暮らします。リビングや風呂場などは共同で使用し、個人の部屋には、それぞれ特色があり、好きな物を飾っていたり、家族の写真を置いていたりと落ち着く空間を作っています。

認知症への専門的な対応ができるスタッフが揃っています。
認知症には、いくつか種類があり、それぞれ特徴があります。スタッフは日々、一人ひとりに合わせた接し方をしています。特徴を理解して、入居者の性格やこれまでの生活スタイルを優先できるよう配慮しています。
グループホームでは、安心できる日常生活を提供しています。
入居者は、自分がしていたことや考えていたことを忘れてしまうことがあります。その時に、していたことや考えていたことに、そっと誘導するのです。
機嫌が悪い入居者がいれば、とことん話を聞いてみたり、雰囲気を変えるために散歩に出たりと常に入居者を見守ります。
食事・洗濯・掃除もスタッフとともに行います。
日常の家事は、入居者と一緒に行います。女性の場合、日常的に家事をしていた経験があるので、自宅での生活と同じ行動をすることで安心にもつながります。
最後までできなくてもスタッフがいるので大丈夫です。火の取り扱いもスタッフが一緒にいるので安心です。
入浴やトイレも自分でできるように介助を行います。
過度な介助をせず、自分でできることは、自分で行っていただきます。認知症の方は「できない」のではなく、手順や動作を忘れているだけのことが多く、身体的にできないことは少ないからです。
スタッフが声かけをすることで、困惑もしませんし、自分で動作ができます。
中には、おむつやパッドを使用している方もおられますが、尿意を忘れてしまう方が漏らしてしまうことで、自尊心を傷つけないためです。
買物や季節のイベントもスタッフとともに楽しみます。
グループホームでは、季節を大事にしているところが多くあります。
桜が咲いてきたら春を感じたり、落ち葉を踏めばそろそろ冬だと感じたりしますね。
認知症になると、寒暖を感じられなくなり真冬に半そで半ズボンでいる方もいらっしゃいます。スタッフの声かけで着替え、外に出て季節の変化を実感していただきます。
買物も、自分の好物を見ると反射的に欲しくなりますよね。自宅でこもっていると、日常の刺激がなく、ひきこもりがちになりますが、外にでる機会を増やすことで刺激のある日常になり、入居者の気分が落ち着くきっかけになります。

入居できる条件と適している方はどのような症状でしょうか。
お住まいの市区町村にあるグループホームへの入居が原則です。
それは、認知症の方が、住み慣れた街で暮らしていけるように地域に根付いた環境を提供するためです。
家族が困る症状の一つとして徘徊があります。
徘徊があってもグループホームには入居できます。なぜなら二重扉になっていたり、一人で外に出ないよう守る仕組みがあるからです。
グループホームの入居条件は、第一に認知症
グループホームへ入居するためには、介護保険の認定を受けている必要があります。そこで、医師から認知症と診断されていれば、入居できる可能性があります。
入居までには、健康診断なども必要になってくるので、空きがあれば即入居できるということではありません。
地域密着のメリットデメリット
地域密着というのは介護保険の用語になります。
お住まいの市区町村にあるグループホームのみに入居できるという意味です。
まれに、空きがない場合、隣接している町が受け入れることもありますが、基本的にはお住まいの市区町村に限定されています。
住み慣れた街で生活できるのはメリットですが、空きがなく入居できない場合も多いのが現実で、入居待ちになっている方がおられるのも事実です。
集団生活ができないと退居になることがあります。
集団生活ができないとは、スタッフが抑えきれないほど、暴れて他の入居者に危害を加える恐れがあったり、他の入居者の平穏が保てないような行動をしてしまう症状がでると退居となることがあります。

わかりやすいグループホームにかかる費用
入居時に一時金として、保証金や家賃充当費などを設定しているところと、退居時修繕費と保証金のみを一時金としていて家賃などは月々請求しているところがあります。施設によって大きく変わるので、何件かある場合は比べてみてください。
月額費用の内訳は、生活費と介護費です。
家賃や管理費は、契約によりますが、食費・介護保険自己負担金・その他雑費が月々の支払いになります。介護保険の自己負担金は、介護度によって決められています。雑費には、おやつ代や散髪代など入居者が使用した金額がそのまま請求されています。
医療費は別費用になります。
医療にかかるお金は別途必要になります。グループホームに連携している病院を利用できる場合は、通院に連れて行くことはありませんので、月々の費用と合算して請求されることになります。
しかし、他の疾患などで、連携医師が診られない場合は他の病院へ通院することになります。
グループホームに入居して受けられる控除について
グループホームで受ける介護については、医療費と合算することはできませんが、入院などで高額になった場合や、高額介護費については、申請すれば返金されることや、支払い額が軽減されることもあります。

グループホームで看取ることができます。
グループホームでの看取りを希望される方は、入居時の面談や入居者の状況に合わせてケアマネージャーや施設管理者と相談することになります。
看取りを受け入れているホームも多くなっているので延命の希望などを考えておくといいでしょう。
大病を患うと入院することもあります。
内疾患など、病状に対応できない場合は、入院することもあります。契約により数カ月の入院が続いたり、入居者の身体状況から退居になることもありますので、契約時に確認しておいてください。
ご家族が納得できる最期の迎え方について相談できます。
契約時の元気なときに考えることは、難しいですね。ですが、高齢なので、いつ何があるかわかりません。考えが変わったらまた伝えればいいので、現在の考えは伝えておくことをオススメします。
自宅で困っていた症状は、グループホームではすべて普通のことです。
家族が疲労してしまうような症状がでている方が、グループホームで同じ症状がでたとしても、周りの受け止めが違うので普通のことです。
24時間見守りが必要な状態を家族がみていると、疲労していきますね。
ですが、24時間交代制で見守る仕組みのある専門のホームでみるとまったく違います。家族には家族にしかできない入居者との昔話や、思いでの共有などを訪問して話していただきたいです。入居者が落ち着ける魔法は、家族の笑顔です。