在宅介護の注意点、介護度によって費用が違う
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在宅介護の費用は2つに分けられる
在宅介護の費用は介護サービス利用にかかるものと、介護サービス以外の費用に分けられます。そもそも介護サービスとは、1~5までの要介護、1~2までの要支援のいずれかの段階に判定された人が利用するサービスの事で、認定されるとデイサービスや訪問ヘルパー等、福祉用具貸与などのサービスが受けられるようになります。ちなみに介護サービスは介護保険が適用され、利用料に対して利用者の負担は1~2割で、収入額によって負担額も違ってきます。一方の介護サービス以外の費用とは、医療費やオムツ代、介護リフォーム代などが該当します。
在宅介護は施設入所より費用が安い?
施設に入所となると、プロによる介護を受ける訳ですから費用が高いイメージがあります。施設によっても差があるので一概には言えませんが、特別養護老人ホームなら10万円前後、有料老人ホームなら月に20万円以上は見積もっておく必要があります。一方、在宅介護は費用の安さがメリットの1つと考えられています。在宅介護にかかる費用について調査が行われた時は、1か月単位でみると介護保険サービス費用が1万6千円、介護サービス以外の費用は3万4千円と合計5万円が平均値となっています。この数字の違いを見ると、在宅介護と施設入所の費用の差額は歴然としています。一般的に介護期間は5~10年と言われており、この長い年月をかけて費用を負担するとなると、在宅介護の方が安く抑えられると感じるのは当然です。
しかし、在宅介護は全くお金がかからないという単純なものでもありません。自宅で介護するには要介護者が過ごしやすいよう、まずは環境を整えなければならないのです。例えば自宅をバリアフリー住宅にするためには改修費用が必要です。要介護者が目を離せないような状況では、家族の誰かが時間を拘束される事になります。介護によって疲労困憊になれば、食事も出前やお惣菜に頼る事になるかもしれません。このように在宅介護は、表に現れない経済的負担が意外と多い事も頭に入れておく必要があります。
要介護度が重いほど費用もかかる
在宅介護にかかる費用の平均値は5万円という調査結果がでましたが、これは要介護度が低い人から高い人まで全体的な数値です。実際、要介護度1~2あたりは費用も安く済ませられますが、要介護度4~5ぐらいになると費用もどんどん高くなる傾向にあります。まず介護サービスにかかる費用は要介護度別に限度額が決められているのですが、限度額の範囲内であれば自己負担額は1~2割となります。しかし限度額を超えると全額自己負担となってしまいます。要介護度が高くなればなるほど、サービスの利用料金も高額になるため、すぐに限度額に達します。その結果、最も手厚い介護が必要になる要介護度5では、自費でサービスを受けるケースも出てきてしまうのです。
介護サービス以外の支出で見ても、要介護度が重くなれば費用が高くなっていきます。寝たきり状態になれば常におむつとなるため、必然的におむつ代がかかるようになります。嚥下障害が起これば介護食が必要になり、また病院への通院も増える事で医療費、通院に伴う交通費など様々な所で費用がかさみます。最初は要介護度も低く、「家でも十分に介護出来る」と在宅介護を決めても、あっという間に症状が進行していくかもしれません。特に認知症を伴うと、他人に迷惑をかけないよう家族も必死になるため、費用は二の次になる可能性もあります。先の事は誰もわからず、イレギュラーで必要になる費用が出てくる事も覚悟しておかなければいけません。
費用だけを考えて決断しない事が大事
純粋に費用だけで考えると、施設を利用するより在宅介護の方が安くなります。認知症を発症したり、要介護度5レベルになると費用もかかったりしますが、それでも施設の利用料と金額的には変わりません。しかし5~10年、ずっと介護し続ける事の大変さは、実際に介護した者でないとわからないものです。出来ると思って始めても、次第に介護によって拘束される時間やストレス、そして肉体的な疲労を思い知らされるようになるのです。家族が無理をした結果、親子共倒れや夫婦共倒れという状況にも成り兼ねません。お金の事だけではなく、精神的・肉体的負担の事も考慮して決断する必要があります。
迷った時は楽楽シニアにご相談を
施設入所か在宅介護か、悩まれるご家庭は少なくありません。そんな時は、費用がからず相談に乗ってくれる楽楽シニアに相談してみましょう。
介護の経験が豊富なスタッフがヒアリングをしてくれ、施設に入所する場合の費用の相談や、入居者に合わせた適切な施設の紹介も行なっています。
在宅か施設入所か選ぶ分には、話を聞いてみてから決めても良いでしょう。
在宅介護は安い、だからこそ外部のサービスも利用しよう
在宅介護は、要介護度が重くなればなるほど費用も高くなります。しかし周りに頼らず家族だけで介護を行うのは限界があります。頑張り続けた結果、介護する家族が倒れては更に費用もかさむ事となるのです。家族で面倒を見ると決めたからには、積極的に外部のサービスも利用する事が賢明です。そして予算内で適切な介護サービスが受けられるよう、ケアマネージャーと密に連携を取るのも上手に在宅介護を行うポイントです。