介護保険サービスを利用する前に、自己負担額を確認しよう
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そもそも介護保険って何?
超高齢化社会を迎えた日本で、平成12年の4月に施行されたのが「介護保険制度」です。これにより特定の条件を満たし、「要介護認定」を受けた方が福祉道具の貸与をはじめ様々なサービスを受けられるようになりました。
対象となるのは、「第一号被保険者」に分類される介護・支援が必要な65歳以上の方と、「第二号被保険者」と呼ばれる特定疾病により介護を必要とし、医療保険に加入している40〜64歳の方です。
サービスの利用者負担額はどれくらい?
介護保険制度でなんとなく安くなることはわかっている方も多くいますが、具体的にどれほどの負担が必要になってくるのでしょうか。場合によっては少し負担額が増えてしまうこともあるので、確認しておきましょう。
ほとんどの場合は費用の1割負担
要介護認定を受けた方が介護サービスを受けた際、事業者に支払われる金額の内訳は、「利用者負担」の1割と「介護給付」からの9割であることがほとんど。
合計所得金額が160万円未満の方以外にも、以下の条件に該当する方が1割負担です。
<合計所得金額が160万円以上220万円未満の方>
年金収入とそのほかの所得合計が280万未満
(夫婦世帯の場合は346万円未満)
介護給付の財源は、40歳以上の方を納税の対象とした介護保険料と、国や都道府県、市町村などによる公費から出されています。
1割負担で済むのであればこれほど嬉しいことはありません。しかし、支給される額にも限度があり、超過分や介護サービスの範囲外で受けたサービスは全額負担となるので注意が必要です。
負担額が1割を超える人も?
先ほどほとんどの方が、1割の負担で介護サービスを受けられるとご紹介しましたが、2割〜3割の負担が必要な人もいます。
それぞれどういった人が負担する額が変わってくるのか詳しくご説明します。
2割負担の対象となる人
自己負担の額は年間の所得によって変わってきます。年金収入が280万円を下回る方は1割負担ですが、それを上回ると2割以上の負担になります。以下は2割負担の方の条件です。次の3割負担の方の条件と合わせてご確認ください。
<合計所得金額が160万円以上220万円未満の方>
年金収入とそのほかの所得合計が280万円以上
(夫婦世帯の場合、346万円以上)
<合計所得金額が220万円以上の方>
年金収入とそのほかの所得合計が280万円以上340万円未満
(夫婦世帯の場合、346万円以上463万円未満)
3割負担の対象となる人
平成30年8月から利用者負担の見直しが図られ、以下の条件に当てはまる方が3割負担の対象となりました。
<合計所得金額220万円以上の方>
・年金収入とそのほかの所得の合計が340万円以上
(単身者で年金収入のみの場合は344万円以上)
これから介護保険を受けようとお考えの方にとって負担額が増えることは痛手ですが、高額介護サービス費の月々の上限額が上がりました。それまで3万7200円だったのが4万4400円となったのです。市区町村民税を課されている人が、世帯の中でひとりでもいれば対象となりますので、確認しておくと良いでしょう。
介護保険制度を賢く利用しよう
介護の費用は、2段階に分けられた要支援か、5段階に分けられた要介護の状況によって変わってきます。まずは介護が必要な方の状況や、どういったサービスが必要かを把握しましょう。
また一般的に介護費用は500万円〜1000万円が必要と言われ、介護保険制度を利用するにしても、ある程度の貯蓄が必要です。現在、介護が必要でなくてもいつかは必要な時がきます。そういったときに慌てずスムーズに準備ができるよう今から知っておいて損はありません。